大人も子供も、おねーさんも。思い入れのあるゲーム MOTHER2
皆さまこんにちは。いつまで経ってもゲームは辞められません。oyuu3です。
子どもの頃からゲーム漬けの日々を過ごしてきました。
私はゲームが大好きです。
特にストーリー性のあるゲーム、シナリオとキャラクターが両立している作品が大好きで、クリア後に余韻が残るものに出会えると本当に幸せな気持ちになります。
そういった作品のジャンルとしてはやはりRPG(ロールプレイングゲーム)が数多く記憶に残り、
また好んでプレイしていました。
今回はその中でも子どもの頃からずっと大好きなゲームである
『MOTHER2 ギーグの逆襲』について語りたいと思います。
MOTHER2とは
1994年8月27日。夏休みも終わろうかという時にそのゲームは発売されました。
機種はSFC(スーパーファミコン)。任天堂より発売されたRPGゲームです。
当時元SMAPの木村拓哉さんがCMに起用された事で話題にもなりました。
ゲームのキャッチコピーはタイトルにもありますが、
『大人も子供も、おねーさんも。』
この作品にはコピーライターの糸井重里さんが大いに関わっており、
本キャッチコピーも糸井さんがつけられた事で有名です。
本作は”2”と題されている通り、MOTHERシリーズとしては2作目になります。
前作はFC(ファミリーコンピュータ)用のRPGとして発売されましたが、
本作とは直接的な関わりは薄く、2から始めても楽しめる内容となっています。
MOTHER2のあらすじ
ある日ある地方の都市に住む少年の近くの山に隕石が落ちてきました。
その日の深夜、幼馴染の悪ガキが家をものすごい剣幕で訪ねます。
弟が隕石の様子を見に行ったまま帰ってこない。一緒に探して欲しいと彼は言います。
快く承諾した主人公の少年「ネス」は幼馴染の「ポーキー」、そして愛犬と共に隕石の元へ向かいます。
襲ってくる野犬や野ガラス、野ヘビなどを払いのけ、隕石の元へたどり着くと、
そこで居眠りをするポーキーの弟・ピッキーを発見します。
安堵し帰宅しようとする一同の元に、突然隕石の中よりカブトムシが現れました。
カブトムシは自らを「ブンブーン」と名乗り、10年後の未来から来たと語りました。
未来では「ギーグ」という宇宙人が世界を征服せんと地球に攻め入り、
世界は壊滅の危機にある。3人の少年と1人の少女が世界の危機を救う存在であり、ネスこそがその存在と確信した。そう言って彼に同行します。
不思議な同行者と共に帰路についていると、未来からの刺客である
「スターマンのむすこ」に襲われます。
辛くも撃退した一行は無事ポーキーの家にたどりつきますが、
ポーキーの両親は激怒。兄弟は父親からきついおしおきを受け、
癇癪をおこした母親に羽音がうるさいとブンブーンは叩きつぶされてしまいます。
ブンブーンはネスに今後の道や使命を言い遺し、息を引き取りました。
あくる日の朝、少年ネスは未来の地球のために、旅立ちました。
MOTHER2の世界観の魅力
細やかなテキストに込められた遊び心
本作の製作には糸井重里さんや、任天堂・HAL研究所などの元社長である故・岩田聡さんが深く関わっています。
シナリオやセリフ回しには糸井さんがそのほとんどを監修しており、
丁寧で遊び心満載のテキストが至る所にちりばめられています。
私は町などにいる名もなきキャラクターのセリフが、丁寧に仕込まれている作品がとても好きです。
ストーリーの進行度で話す内容が変化したり、何度も話しかけることで言動が変化するような細かな演出があると楽しくてたまらなくなります。
RPGで街の人にすべて話かけないと気が済まない人っていますよね?
私がそれなのですが、一度では気が済みません。
少し話が進むごとにまたもう一周してしまいます。
遊ぶ以上味わいつくしたいタイプなのです。
本作品では、いたるところにユーモアなテキストが仕込まれています。
人だけではなく様々なモノや動物、建物のドアなんかにもクスッときてしまうような
演出が隠されていたりするのです。
これがたまらなく楽しい。
人は期待してから実際に物事を体験すると、想像に反して勝手にがっかりしてしまうようなことがあるかと思います。私もよくあります。
しかしMOTHER2ではその期待に応えてくれる体験ばかりでした。
アイテム一つとっても楽しいものばかりです。
誰が”タコけしマシン”だったり、”ゾンビホイホイ”なんてものが重要なアイテムとして渡されると想像できるのでしょうか?
そんなピンポイントでニッチなもの来るの?嘘でしょ?
なんて思ってはニヤニヤとしてしまいます。
ちょっと不思議で人間味のあるキャラクター
物語を進めるうえで、主人公たちの行く先々ではお話の鍵となるキャラクターが沢山登場してきます。
町を仕切るギャングのボスだったり、劇場のオーナーに騙されて借金を背負ってるバンドメンバーだったり、自称トレジャーハンターから宗教団体のトップになるおじさんなんかもいて様々です。
『どせいさん』なんていう不思議な生物には思わずクスっとしてしまいますよ。
その人たちはみんなどこか抜けているところがあり、一見そうはならないだろうと思わず突っ込みたくなるような行動をとったりしてしまうのですが、
大事なもの、大事な場面では自らの信念を貫くような格好良さも持ち合わせています。
彼らと接しているうちに、思わず、
「そうだよなぁ、人間だもの。そういう事もあるよなぁ」
なんてどこか受け入れられてしまう。
そんな魅力を持ち合わせているキャラクターばかりなんです。
MOTHER2はRPGですから、戦闘をしてレベルをあげたりする機会もあります。
しかし主人公たちは命をとりません。やっつけたり懲らしめたりするだけです。
日常の中の非日常。というような世界で冒険している彼らが出会うのは、
いつだって生身の生物たちです。町で生活しているような普通の人もいます。
そんな彼らにとっては敵と言えども命ある存在で、簡単に奪っていいようなものではないと思えるわけですね。
戦いはしますがそれは振りかかる火の粉を払うだけ。
奪うための戦いじゃないんです。
命って軽いもんじゃないよ?そんなメッセージ性をプレイしていると感じさせられます。
それでも亡くなるキャラクターは出てきます。
しかしその死、あるいはそのキャラクターの生に意味があったと思わせてくれる。
そんな生き様や背景が想像出来て、感情がまた揺れるのです。
最後に
MOTHER2のキャッチコピーは
『大人も子供も、おねーさんも。』ですが、
本作のパッケージの裏にはこう書かれています。
(このゲームをはじめると……)
『こどもはおとなに、おとなはこどもに、なってゆきます。』
子どもの頃に遊んだ時には、作品内で描かれる主人公を今の自分に投影して、
一緒に成長を味わう体験をさせてもらいました。
大人になってからプレイすると、主人公を過去の子どもだった自分に投影して、
「あぁ……そんなこと自分にもあったなぁ……」という郷愁の念を思い起こさせてくれるのです。
そうしていつだって、このゲームをするたびに、あの頃の子どもだった自分に戻らせてくれる。
これが私の感じる、この作品の一番の醍醐味なんです。
昨今はスマホゲームに代表されるソーシャルゲームやブラウザゲームなどが主流になっています。
腰を落ち着けて家でテレビ画面に向かってゲームをじっくり楽しむ。
そんな機会は減ったのでしょう。
あるいは採算がとれなくて作られなくなってしまった作品も増えたのかもしれません。
ですが体験したことのある人はもちろん。
一度も体験したことのない人にはぜひ。
じっくりと腰を据えて、画面に向かって、丁寧に作られたゲーム作品にのめり込む。
そんな経験をして欲しいと願っています。
昔の触れたことのない作品に、今夜触れてみませんか?
名作はいつだって、名作なのですから。